eco読み物

羊蹄山(ようていざん)から黒松内町(くろまつないちょう)へ

その日は良く晴れていて、真っ白な雪をかぶる羊蹄山はとっても雄大でした。
その姿は、本当に富士山に良く似ています。

この羊蹄山のふもとにはみなさんもよくご存知のニセコスキー場があります。 人口3千人の赤井川村(あかいがわむら)の山向こうには、オーストラリアや北米などからスキー客が集まるにぎやかな世界が広がっていました。

赤井川村に比べると雪の量は減りましたが、気温の方はさらに下がりました。

倶知安町(くっちゃんちょう)では、とある運輸会社さんの運転手さんの休憩室をお借りして、一緒に歩いている6人の仲間で泊まらせていただきました。

こちらの運輸会社さんでは、近隣の家庭やお店から出てくるゴミを、行政からの委託でリサイクルしています。

リサイクル施設を見学させていただいたところ、驚いたのは大量にある缶、ビンを、皆さんが手作業で色や素材別に分けていたことです。
実際にそういう姿を見ると、自分が出すゴミくらいは、しっかりと分別しようという気持ちになります。

羊蹄山を離れて、黒松内町に向かいます。
黒松内町には北限(ほくげん)のブナ林があります。
「黒松内岳(くろまつないだけ)ブナ林再生プロジェクト」を主催されている方に、町の中心部からすぐ近くにある、昭和3年に国の天然記念物に指定された「歌才(うたさい)ブナ林」を案内していただきました。

その方は、北限のブナの種を集めて苗木を育て、標高740mの黒松内岳の中腹にある木のほとんど生えてない4ヘクタールの国有林に その苗木を植えて、ブナ林を再生しようというプロジェクトを進めています。

一昨年秋に植えた1万3千個の種は、たくさんの芽を出したのに、昨年春の遅霜(おそじも)でその苗たちは、ほとんど全滅してしまったそうです。

「自然は人間の思いどおりにいくものじゃない。ブナ林を育てることがどれだけ大変かということを勉強する良い体験になったよ。」と教えてくれました。

ゆっくり日本を徒歩で南下して、自然の変化を楽しみながら、その土地に住む人たちの営みを学び、ますます日本が、地球が大好きになっている毎日です。
みなさんの協力のお陰ですばらしい日々を送っています。
まだまだ旅は始まったばかり、これからも楽しいレポートを続けてまいります。

執筆者紹介
中渓宏一(Seedman)

【プロフィール】
1971年シアトル生まれ。大手商社勤務などを経て2000年9月、サラリーマンを辞めて世界放浪の旅に。2003年、南アフリカで地球を歩いて木を植える男、アースウォーカーに出逢い、その後1年間ジンバブエ、ザンビアを共に歩き、木を植えた。2004年よりは日本中を歩いて木を植えている。

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