重要なお知らせ
みんなのエコ活動・エコ川柳は2015年2月末をもちまして、新規投稿のご応募を締め切らせて頂くこととなりました。
クリック募金のご応募は3月末までを予定しております。
なお、過去のご投稿や川柳大賞は4月以降も引き続き、ご覧頂けます。
これまで多くの皆様にご愛顧を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
今後ともCLUB Panasonicをよろしくお願い申し上げます。
今日は、種のお話の第三回です。
野菜、果物の世界では現在、一代雑種というものが主流になっているというお話が前回まで。では、この一代雑種の世界で今、何が起こっているかを書いてみたいと思います。
今回のお話は奥が深く、専門的な話ですが、大事なことなので、僕も頑張って理解を深めつつ、なるべく分かりやすく書いてみたいと思います。
カブを例に挙げてお話してみます、日本で古来から伝わる小カブと、大きくて丈夫な、外国の家畜飼料用のカブをかけ合わせたとすると、最初の(一代目の)種に限り、雑種強勢(ざっしゅきょうせい)が働いて、お互いのカブの良いところをとった、サイズも日本古来の小カブよりも大きなサイズのカブができます。これが一代雑種というもので、今、ホームセンターなどで手に入るほとんどの種は、この一代雑種です。
一代雑種の良さは、「揃いが良いこと。均一に成長するから、栽培計画が立てやすい。発芽も収穫も一斉になります。それと雑種強勢のおかげで、成長が早いこと」。(野口種苗研究所のホームページより抜粋)などがあるそうです。
なんだかこれだけ聞いていると、良いことづくしのような気がしますが、大量出荷を目的とする農家さんとは違って、個人消費用に育てる人にとっては、一斉に収穫出来るよりは、収穫時期にばらつきがあった方が、毎日、少しづつでも、収穫物を食べることができます。
そういえば、僕の少ない実体験で言えば、一代雑種のほうれん草の種を撒(ま)いたことがありますが、確かに一斉に芽が出て、あっという間に成長するため、一度にたくさん採れるのは嬉しいのですが、ワッとできて、パッと無くなって、収穫時期がとても短いことに驚きました。ほうれん草とはそういうものなんだと勝手に理解していました。
つまり、今、一般的に売られている種は、大量生産しやすい様に改良されている訳ですね。では、何よりも大事な「味」についてはどんな改良がされているのでしょうか。
「農家の手間がかからず(耐病虫性(たいびょうちゅうせい)で生育期間が短く、揃いが良くて結束や梱包しやすく)、輸送中荷傷みしない。市場や店頭で日持ちが良く、市場を支配する納入先である外食産業(ファミレスやコンビニ弁当など)で機械にかけて調理しやすく、また調理後の色が良いことなどが育種の重要条件であるため、年々消費者が買える野菜が、色や形、保存性が良くなった代わり、硬く美味しくなくなっているのです。」(野口種苗研究所のホームページより抜粋)
つまり、大量出荷しやすい条件として重要になるのは、見た目であり、味ではないということです。昔から代々その土地に伝わる固定種、在来種の野菜に比べて、今、市場に出回っている野菜は、形や色は良くても、味気の無い野菜になってしまっているそうです。
確かに、昔は野菜がもっと野菜らしい味がしていたなんて話は、みなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
うーーん、知れば知る程、面白くて奥が深い種の世界。
次回も一代雑種について、もう少し掘り下げて書いてみたいと思います。
執筆者紹介
中渓宏一(Seedman)
【プロフィール】
1971年シアトル生まれ。大手商社勤務などを経て2000年9月、サラリーマンを辞めて世界放浪の旅に。2003年、南アフリカで地球を歩いて木を植える男、アースウォーカーに出逢い、その後1年間ジンバブエ、ザンビアを共に歩き、木を植えた。2004年よりは日本中を歩いて木を植えている。
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