eco読み物

初めての中国で感じたこと

生まれて初めて、中国を旅する機会をいただきました。

人口約13億人の中華人民共和国。推定では人口15億人ともいわれているアジアの大国。

やっぱりそのスケールに圧倒されました。

フランス、スペインの2週間の旅を終えて、スペインのバルセロナ空港からパリのシャルルドゴール空港、そこから北京空港に着き、高速バスで中国北方最大の対外開放港の天津へ。

飛行機の窓からの景色はバルセロナ、パリ、北京と変わり、最後にバスの窓から天津の街並みを眺めます。24時間以内に、4つの都市を観察。

そうしてみて、気がついたことがありました。

ヨーロッパの都市は、どこもきちんと都市計画がされていています。フランスの首都パリも、その上空を飛んでみると、きちんと森が点在していて、建物も色調に統一感があって、高層ビルは街の一部に限られていて、ほとんどは昔ながらの街並みをしっかりと保存しています。数百年前からの建物を再利用して、街の一部として根づかせる。これがヨーロッパの文化の深さかと改めて感じました。

そして北京からバスを乗り継ぎ天津へ。

バスターミナルの雑踏、片側4車線の大きな道路を縦横無尽に行きかう車、バイク、自転車、歩行者。クラクションの喧騒。天津の賑わいは東京を遥かに凌ぐものでした。

そして、窓からの景色にさらに圧倒されます。建設中の高層ビル、ビル、ビル。どこを見ても高くそびえ立つビルとマンションばかり。

急速な発展の影響か、そこには統一感がなく、思い思いの方向・サイズでビルが立ち並んでいます。数時間前に眺めていたヨーロッパの街並みとの差に正直、驚き、不安になりました。

「このままの開発が進んだら中国4千年の歴史は一気に吹き飛んでしまう。」そう感じながら、「東京を始め、日本の都市部でも同じことが起きているんだな」とも感じました。

一方で、北京では郊外に住む彫刻家の日本人のお宅にお世話になり、まだ昔ながらの暮らしぶりが残る北京の一部も見ることができました。

その光景は、開発の手が入る前の、伝統的に受け継がれてきた中国の下町の生活がそのままだと感じました。

また、それが僕にとってはどんな新しい建物よりも、人の生活・文化の息遣いまでを感じる「大観光地」でした。確かにそこの人たちの暮らしぶりは貧しかったですが、そこには、町全体に広がる「温もり」がありました。お婆さん達が路地裏に座り込んで話をしていたり、市場を縦横無尽に走り回る子供達の姿があったり。

その温もりこそが文化で、その文化こそが芸術なんだ。まだうまく言葉にできていませんが、そんなことを感じました。

ヨーロッパから中国へ移動する中で、文化やそこに根づく人の息吹を伝統的に受け継ぐことの美しさ、温もりを感じ、その必要性に

ついて意識を新たにしました。

「持続可能な社会」の実現ということがエコにおいてとても重要です。その視点からも、3年後、5年後、10年後も、北京の裏路地の街並みがずっと、あのままであって欲しいと思います。

執筆者紹介
中渓宏一(Seedman)

【プロフィール】
1971年シアトル生まれ。大手商社勤務などを経て2000年9月、サラリーマンを辞めて世界放浪の旅に。2003年、南アフリカで地球を歩いて木を植える男、アースウォーカーに出逢い、その後1年間ジンバブエ、ザンビアを共に歩き、木を植えた。2004年よりは日本中を歩いて木を植えている。

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オリンピックの聖火到着を待つ天津の街並み

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