eco読み物

種の大事さを知る旅。南アフリカラスラーズバレーにて。その3

「粘土団子?」
南アフリカのラスラーズバレーで初めてその言葉を聞いた時、僕はそれが一体どんなものか全く想像がつきませんでした。

「沢山の種類の野菜や果物の種を粘土と混ぜて団子にして撒くんだ。福岡さんが発明した自然農法で、僕は未だこの粘土団子を実際に見た事がないけど確信がある。アフリカの大地に飛行機から粘土団子を大量に撒けば、アフリカ大陸に緑が帰ってくるよ。」

そう言った彼はそのことに確信を持っていました。そしてこう続けます。「混ぜる種はアフリカの植物の種だ。どんな種を混ぜれば良いかはブッシュマンが知っている。フクオカさんをアフリカに連れてきてくれ。ブッシュマンにフクオカさんが逢えば、アフリカの大地に撒く粘土団子が出来る筈だ。」

この話を聞いて以来、僕は粘土団子のことが気になっていました。

そして僕はパーマカルチャーや粘土団子のことを教えてもらった南アフリカのラスラーズバレーで、17年間世界中を歩き、平和の木を植え続ける英国人のポール・コールマンさんに出逢い、1年間アフリカを共に歩き、木を植えて、その後ポールさんと共に日本に帰国、富士山から広島、長崎までを歩き、木を植えました。
2004年のことです。

沢山の方達の草の根の力に支えられて、富士山から長崎までの旅を無事に終えました。その旅の間に「福岡正信さんの粘土団子を知っていますか?」と別々の二人の方から言われました。こうなると僕も、実際に粘土団子を見てみたいと思うようになりました。

粘土団子のことを教えて下さった方に紹介して頂いて、念願の粘土団子の講習会に参加することになりました。

講習をして下さったのは本間裕子さんと言う女性でした。彼女は福岡さんに長い間師事して粘土団子による自然農法を実践されている方でした。そしてお話がとても興味深く、心に響きました。

今、地球上では緑が失われ、砂漠化が進行しています。1年間に九州と四国を併せた程の土地が砂漠化しているそうです。そして、砂漠化の原因は、地球的規模の大気循環の変動など「気候上の変動」によるものもありますが、その殆どは草原の再生能力を超えた家畜の放牧や休耕期間を短縮してしまったために、土地がやせてしまったことなどによる、「人為的な要因」による砂漠化が殆どだそうです。

砂漠化してしまうと、アフリカの砂漠を例にとると地表温度は日中40度近くまで上がり、夜には氷点下近くまで下がります。地中に眠っている種はその温度差で芽を出せないそうです。そこに野菜、果物の種を混ぜた粘土団子を撒くと、後は水もあげず、耕さずとも、砂漠に緑が戻ってくるという驚くべき話しを聞きました。

その詳しい仕組みについては、次回とさせていただきます。

執筆者紹介
中渓宏一(Seedman)

【プロフィール】
1971年シアトル生まれ。大手商社勤務などを経て2000年9月、サラリーマンを辞めて世界放浪の旅に。2003年、南アフリカで地球を歩いて木を植える男、アースウォーカーに出逢い、その後1年間ジンバブエ、ザンビアを共に歩き、木を植えた。2004年よりは日本中を歩いて木を植えている。

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アフリカのザンビアにて。ポールと一緒に。2003年9月。

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