毎朝食べるパンをホームベーカリーで焼く方が多いのではないかと思いますが、今日はその中でもリッチな味わいで、コーヒーとの相性がよく朝食にもおやつにもいただけるブリオッシュをご紹介したいと思います。
もともとブリオッシュはフランスの発酵生地で、ある日農家のお母さんが生地を混ぜて出かけたところ、帰ってきてみるといい具合に膨らんでいたそうです。
そこで家にあるミルクや砂糖、卵、バターを加えて焼いてみたところ、すばらしくおいしいパンになり、ブリオッシュが作られるようになったそうです。
酪農大国フランスならではのエピソードですよね。
今ではフランス全土でさまざまなブリオッシュが作られていて、北フランスでは平たく伸ばし黒砂糖をふりかけて焼いた「砂糖のブリオッシュ」、リヨンではアーモンドのプラリネを混ぜて焼いた「ブリオッシュ・サンジェニ」、南仏ではオレンジピールを混ぜカスタードをはさんた「トロベジェンヌ」、チーズをトッピングした「ブリオッシュ・ナンテール」など、数え上げたらきりがないほど、たくさんの種類のブリオッシュが作られています。
このパンはお菓子屋さん、パン屋さんの両方で作られていてお料理との相性もよく、フォアグラなどのリッチなパテやペーストをつけていただくのは、シンプルなブリオッシュです。
私が滞在した現地の宿では、朝ごはんに食パン型に焼かれたブリオッシュが出てきました。そのまま食べても美味ですがスライスして軽くトーストし、バターをつけて食べるとまた格別です。それ以来、我が家でもたびたび作るようになりました。
■ブリオッシュ食パン
(1斤)
強力粉 250g
塩 4g(小さじ1弱)
砂糖 40g(大さじ4と1/2)
ドライイースト 3g(小さじ1)
無塩バター 80g(あらかじめ室温に戻しておく)
卵黄2個と牛乳合わせて 160cc
○作り方
【1】イーストを投入口にセットし、バター以外の材料をパンケースに入れ、食パンコースをスタートする。(イースト自動投入を利用すると過発酵を防ぎ、釜伸びのよいやわらかい食パンが作れます。)
【2】5分ほどして生地がひとつにまとまったらバターを3~4回に分けて加える。(バターは多めのため分けて加えます。油脂を後から入れることにより充分なグルテンを形成します。)
【3】後は機械にお任せで焼き上げる。
同じ生地でプチパン「ブリオッシュ・アテット」もつくれます。アテットとは頭の意味で、僧侶が袈裟を着ている形を現しているそうです。なんだか愛らしい姿ですよね。こちらはティータイムにいただいています。
■ブリオッシュ・アテット
(1個約50g×10個分)
分量はブリオッシュ食パンと同じ
○作り方
【1】同上のレシピで生地コースを選択し、イースト自動投入、バターは後から分けて加え生地を作り、、一次発酵までホームベーカリーに任せる。
【2】一次発酵終了後生地を取り出し、10等分に分割して、丸めてベンチタイムを20分とる。(このとき生地が乾燥しないように濡れぶきんなどをかぶせておく。)
【3】手でくびれを作り、バター(分量外)をぬった型に入れ、くびれの部分を押し込むようにして成形する。
【4】仕上げ発酵を50分とり、2倍程度に膨らんだら180℃に予熱したオーブンで15分焼き上げる。(仕上げ発酵はオーブンの発酵機能を利用するか、ボールにお湯をはって湿度を保ち、35℃に保ったダンボールの中に入れて発酵させる。)
2006年04月14日 (金)
飯田 順子
お菓子研究家。
結婚後、かねてから大好きだったお菓子の研究をスタート。専門書をたよりにお菓子を作り続ける一方で、パティシエによる講習会にも参加し、独自のレシピを開発。
1998年より料理教室を始める。丁寧な指導に加え、フランス菓子の歴史や文化を解説するレッスンは大好評で、生徒数は350人にも及ぶ。スイーツファンを集めて、都内の有名パティスリー巡りやフランスへのスウィーツ・ツアーを定期的に実現する一方で、自らもフランスのエコール・リッツ・エスコフィエやルノートル パリ校でフランス菓子について本格的に学ぶ。
2008年KARACUのディレクトゥールに就任し、商品開発を手掛ける。ケーキやパンなどに関する著書多数。2011年4月より自宅にてパン・お菓子教室「アトリエフェーヴ」を主宰。
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