
2010年3月9日 (Tue)
僕は今、インドのリシュケシュという町に来ています。
リシュケシュはヒマラヤ山脈の麓(ふもと)。
ガンジス川がヒマラヤ山脈から平野部に流れ込む手前にある町です。
インドの宗教、ヒンズー教の聖地、リシュケシュ。
夕方になると毎日、お経の歌声が気持ちよく町に響きます。
お経といっても、ヒンズー経のお経はタブラやシタールといった伝統楽器の演奏に合わせて唄われるので、
意味が分からない僕にもとても心地よく聞こえます。
ガンジス川で沐浴をして、
夕日を眺めながら、町に響くお経の歌声を聴いていると、
心がとても落ち着きます。
生活の中に「自然の神様への信仰」が溶け込んでいる世界。
この町で毎日、悠々(ゆうゆう)と流れるガンジス川を眺めていると、
インドの歴史の深さを肌で感じます。
先日はこのガンジス川を7人の仲間でラフティングボートで下りました。
リシュケシュの町から40キロほど上流からラフティングをスタート。
2日間かけて川を下りました。
川を下ると、普段は見えない景色が見えてきます。
旅の前半に訪れた、インド北東部のブッダガヤは平野部で緑も少なかったのですが、
リシュケシュ付近は緑が豊富です。
それでも、山の色は緑ではなく、茶色。
山肌をよく見ると、各所に岩肌がむき出していたりしていて、
日本のようにに青々と茂る森とは違います。
やっぱり日本は自然に恵まれた島なんだってことを改めて教えてもらいます。
リシュケシュはヒマラヤからの豊富な雪解け水が
ガンジス川となり町の真ん中に流れ込む水が豊かな町。
ヨガの聖地でもあるリシュケシュにはたくさんの旅行者が主に欧米から訪れます。
そして川沿いには新しいホテルがどんどん建設されています。
あと5年経てばここリシュケシュのガンジス川沿いの景色も大分変わっているかもしれません。
それでもやはりこの町の魅力は自然のままの姿のガンジス川が悠々と流れ続けていること。
欧米、アジアの旅行者が増えることでホテルが増えるだけでなく、
地元の人たちと旅行者が交流することで環境に対する意識が高まり、
結果緑化が進み、ガンジス川沿いの自然がますます豊かになって行ってほしいものです。
聖なる川、ガンジス川を目指して世界中から旅行者が集まる町。
これは決して夢ではないと信じています。
さて、インドに来てみて、
木を植えることが自分のライフワークであることを再認識しているのですが
もうひとつの活動、前回も紹介した「粘土団子」の重要性も感じています。
ここインドのように乾燥している地域を緑化するのには、
水をあげるなどの手間がいらない粘土団子がとても有効なはずなのです。
先日訪問したスジャータ村のニランジャナスクールの子供たちと一緒に作った粘土団子。
インドやアフリカなどの乾いた土地で暮らす人たちに
この粘土団子のことを広めて行くことも、
今後の僕の大事なライフワークです。
9年ぶりのインド。
リシュケシュというヒンズー教の聖地で、
インドの人たちの信心深い生活を垣間見て、
世界から集まる旅人と環境、政治や音楽について語り合う時間。
自分がこれからどこに向かって行くのかを再確認する大事な旅になっています。
インドの旅もいよいよラストスパート。
これから、ガンジス川をもっと上流に向かってみます。



写真)インド東部のゴンガリアという集落で木を植えて、粘土団子を蒔いた時の様子です。
中渓宏一
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2010年3月5日 (Fri)
前回に引き続き雪深い宮城県の東鳴子でのプチ「湯治」での出来事をお届します。
娘が藁靴をはいて出かけた温泉。
美味しいお食事や音楽(子どもは踊り!)に酔いしれる
良い旅だったこともちろん、
心の芯まであったまったことが、2つありました。
連れ合いが農家さんたちと遅くまで飲んでおり、
それでは子どもたちが寝る前に母子で温まろうと、
私は7ヶ月の子を小脇にかかえて3歳の子の手をひき、
一番大きなお風呂(混浴)に入りました。
すると、3人連れのおばちゃんたちが居て、
優しく私たちを輪の中に迎えてくれました。
あらー抱っこさせて。
ほらほら、お母さんは肩まで浸かりなさい。
包み込むような雰囲気に、子どもたちも安心して身を委ねます。
壁に素敵な天女の絵があるんだけど、まさにそんなかんじ。

写真)薬師千人風呂(混浴)の壁画
そのおばちゃんたちは
夕方、雪の降る駅で会って一緒に宿まできた方とそのお友達2人でした。
いつからか、そのお連れ合いの男性も入ってきて、
ぼんやりとした湯煙のなか談笑しながらみんなで温まっていきます。
本当にいいお湯で、子どもたちもごきげん。
老若男女、様々な身体がそこにあり、
みんなで笑いながら、お湯にとけてゆくかんじ。
赤ちゃんがのぼせるのが気がかりでなければ、ずうっと入っていたかったくらい。
忘れられない一場面になりました。
小さい子どもたちの目にもとても美しい時間と空間だったはず。
今回お世話になった大沼旅館の湯守の大沼さん曰く、
「古くから湯治場のしごととは、天からの恵みである湯を守り、
昔からとくに農業や漁業に携わるひとびとに身体を癒してもらうこと」
だったそうで、
地球の恵みをその地域の人たちだけで独占することなく、
あまねく全ての人々に分け合う態度。
それが、みんなの食を支えるひとたちを応援し、
文化を交換し高め合うような場(町)をつくり、守ってきたようです。
ところで、このブログでも何度か出てきた、
うちの連れ合いたちが運営するNPO「トージバ」のコンセプトは、
当初から”農”にフォーカスしていたわけではないそうなのですが、
「多様」を受け入れ、「農」に寄り添い、
様々なかたちで応援する場として、
ちゃんと、伝統的な「湯治場」の有りようと響き合っていたことに、
改めて感動してしまいました。
また、この温泉ツアー中に開催した、
日本各地からの農家さんと農に関わりたい一般の参加者をつなぐ
お見合い「フードハートパーティ」も大成功。
朝ご飯にみんなでいただいた、
東鳴子温泉での『大豆レボリューション』でとれた大豆の納豆と
『鳴子の米プロジェクト』で作られたお米は絶品。
この地元で育まれた大地の恵みだと思うとおいしさも格別。
ゆっくり休んで、充電完了です。
連れ合いと大沼さんは、口をそろえて
「アース(土で汗)&チャージ(お湯で充電)」
と言ってます!

写真)大豆づくしのパーティー料理
この2つの古くて新しい「湯治場とトージバ」が、
これからの日本社会の中で、一体どういう役目を
果たしていくのか、考えると奥深く、楽しみです。

写真)こちらは雪見風呂です
藤岡亜美
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2010年2月26日 (Fri)
インドに来て2週間ほどが過ぎました。
もう長い間、インドにいるような気がしています。
毎日が学びと発見の日々。
インドという国を通して、地球のこと、自分のこと、日々発見の連続です。
さて、今回は先日に参加させてもらった
スジャータ村でのアートフェスティバルについて紹介します。
ニランジャナスクールはスジャータ村にある小学校です。
スジャータ村はインドの北東部、仏教の聖地、ブッダガヤの東隣にあります。
ブッダガヤとスジャータ村の間にはニランジャナ川が流れているのですが、今は乾期。
乾期には雨がほとんど降ることがないこの地方。
ニランジャナ川に流れる水はなく、
海岸の砂浜のような広大な景色が広がっています。
その砂地を歩いて渡る人の姿を眺めながら木の下でたたずむと
川向こうにはブッダガヤのシンボル、マハボディー寺院が見えます。
「あー自分は今、インドにいるんだなー。」
と改めて実感する、とてもエキゾチックな眺めでした。
さてここのニランジャナスクールには3階建ての立派な校舎があるのですが、
なんと、その校舎を建てたのは、日本の学生さんたちなんです。
「fools」という名の大学サークルの仲間達が、
夏休みの間に仕事をして資金を稼ぎ、そのお金で校舎を建てたのが5年前。
今回のフェスティバルは、そんな小学校のことをみなさんに知ってもらうことで、
小学校が自立して運営できるような協力を呼びかける目的で開催されました。
子供たちは一家の働き手であることが常であるこの村で
学費なしの小学校の運営には、教材費や食費、光熱費などがかかります。
それらの費用を自前で捻出するのは現在はなかなか厳しいそうです。
僕たちはフェスティバルの開催前日に小学校に到着。
みなさんはちきれんばかりの笑顔で僕たちを迎え入れてくれます。
実は、その中には孤児たちもいて、寮生活をしています。
4日間の滞在中に、寮の子供達の数人と特に仲良くなりました。
みんな、たくましく、素直で、礼儀正しい、聡明な子供達です。
フェスティバルのメインイベントは、
日本とインドの芸術家によるウォールアート。
教室の壁に絵を描きます。
日本からは浅井裕介さんというアーティストが来ていて、
学校近辺で採った土を絵の具代わりにして、教室一杯に心温まる絵を描いてくれました。
床には藁(わら)が敷かれています。
こんな教室で勉強してみたい!と思う部屋。
浅井さんの魂がこもって、絵の完成と共にこの教室が
とても居心地の良い別空間に変わってゆく様子を見ていて、
アートの力を強く実感しました。

写真)小学校の教室の一室。土の色がとても優しく部屋を包んでいます。
僕はここでも子供達と粘土団子づくりをしました。
(2008年の中渓さんのCLUB Panasonicエコスクール記事はこちら)
粘土団子とは野菜や果物の種を各種混ぜ合わせて、粘土で包んであげて球体にします。
それを土の地面に撒(ま)くだけという簡単な農法です。
粘土団子は乾燥したこの地域には特に役に立つはずの農法。
乾期には特に乾いているスジャータ村。
さっそく小学校の近辺で実践してみることになりました。
みんなで作った粘土団子の半分は、ゴンガリアという、スジャータ村の近く、
ニランジャナ小学校のある地域よりも更に町はら離れた、
電気も通っていない村で子供達と一緒にまきました。
残りの半分は、ニランジャナ小学校の近くの畑に撒かれることになりました。
どんな野菜が芽をだしてくれるか、とても楽しみです。

写真)粘土団子で、「祭」という文字をアーティストの浅井さんに作ってもらいました。座っているのが浅井さん。
また、ゴンガリアでは菩提樹(ぼだいじゅ)の木を1本、みんなで植えました。
ブッダガヤのシンボル、マハボディー寺院には、
仏陀(ブッダ)が悟りを開いたという立派な菩提樹があります。
ゴンガリアでみんなで植えた菩提樹も、しっかり根を張りめぐらして幹が太く大きく育って、
気持ちよい木陰をつくってくれるはずでしょう。
スジャータ村でのあっという間の4日間と
電気のない、つまり電線のない、昔ながらの土壁の家に住むゴンガリアの人達。
そんな村のみなさんが手を振って見送ってくた時の畑の向こうに沈む夕焼けの景色は
とてものどかで、心打たれました。
シンプルで、自然に即した人間らしい生活がそこにはありました。
そんな豊かな大地に、緑がもっと豊かになって、乾期にも土地がうるおって、
みなさんが楽しく暮らせるようなお手伝いがしたいです。
そして来年もぜひ木を植えに、種をまきに、
スジャータ村、そしてゴンガリアに戻ってきたいです。
中渓宏一
コメント数 (19)
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人々が信仰に基ついて生活を受うけ入れいる==無宗教の私には 想像できない世界です。 子どもたちの目がとても印象的です。無垢なひたむきさが伝わってきます。
三毛猫福 | 2010年3月11日 (Thu)
インドの「気」のようなものが感じられます。たとえ貧しくてもインドの人々に顔にはそこから来る「苦しみ」が見られません。これも「心」の持ち方でしょうか。一言「宗教」の問題でかたずけられることでもないような気がします。ますますインドに対して興味を持ちました。
かずたけくん | 2010年3月11日 (Thu)
命の川ですね。
onmyoji | 2010年3月11日 (Thu)