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ご存知ですか?「森林セラピー」その2

前回に続き、「森林セラピー」についてご紹介したいと思います。

森林セラピー基地では、いったいどんなことをするのでしょうか?

理想的な森林セラピー基地での滞在期間は2泊3日程だそうです。
先ず森に到着したら、メディカルチェックを行います。そこではいくつかの質問と共に心拍数や血流、血圧、心臓の鼓動のゆらぎなどを測定することで、その人の健康状態をチェックします。その結果を元に森での活動内容を決めていきます。

森林セラピーの基本プログラムは森の中を歩くことです。

日本は国土の7割が森林です。山はあちこちにあります。
その中で森林セラピー基地に選ばれた森は、普段特別に運動をしていない人でも楽しく歩くことができる、起伏の激しくない山です。

そして同時に、遠くの景色や道端の草花を十分に楽しめる森が選ばれています。

だいたい1〜3時間で歩くことができるセラピーロードの入り口には、セラピーロード全体の地図が表示され、路上にはポイントポイントに、道に迷わないようにきちんと標識がついています。

そして、森の中では歩くことに加えて、景色の良いポイントなどに設置された休憩所で読書をしたり、呼吸法を習ったり、ヨガなどをするプログラムも用意されています。

こういったプログラムを楽しむことで、気が付けば森の中に滞在しているという仕組みが森林セラピー基地にはできあがってきています。

そして、もう一つ大事なのが食事です。
セラピー基地では、地元の新鮮な素材を生かした自然食が提供されます。
気持ち良く森の中を歩き、地元のおいしい食材を頂き、近くに温泉があればゆっくり温泉につかる。そういう生活を3日間ほど実践した後に、もう一度メディカルチェックを実施すると、確実に数値が改善されるそうです。

僕は、自分の体験を通してこのことを理解できます。
今年僕は、半年間かけて日本列島を徒歩で縦断しました。
歩いていて気持ちが良いのは、車通りの多い街中の国道よりも、鳥のさえずりが聴こえる山の中です。
当たり前のことですが、半年間の旅の中で、僕はそのことを特に強く感じました。

国なんていう概念も無い遠い昔は、人間だれもが森の中で自然と共存して暮していたわけで、森の中にいるとリラックスできるのは、人間が持つ、そんな過去の記憶とも関係があるのかも知れません。

森林セラピーは、都会の生活で忘れがちなそんな過去の記憶を呼び覚ます大事なきっかけ作りの役割を果たしてくれるのではないでしょうか。

執筆者紹介
中渓宏一(Seedman)

【プロフィール】
1971年シアトル生まれ。大手商社勤務などを経て2000年9月、サラリーマンを辞めて世界放浪の旅に。2003年、南アフリカで地球を歩いて木を植える男、アースウォーカーに出逢い、その後1年間ジンバブエ、ザンビアを共に歩き、木を植えた。2004年よりは日本中を歩いて木を植えている。

Powerd by イーココロ!

今年の半年間の日本縦断ウォークで見つけた森林での写真


やっぱり森の中を歩くのは何よりも気持ちが良いです。

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