eco読み物

木と水の関係について

水についてのお話を書いてきましたが、今回は水と木の関係について書いてみたいと思います。

僕はよく小学校で木を植えています。木を植える時には、お話する時間を頂いています。
その時には何時も子供達に、「木は僕達にとってどうして大事なのだろう?」という質問をします。

「お家が造れる。」、「動物達の住処になる。」、「果物が出来る。」、「紙の原料になる。」

子供達は色々な答えを出してくれます。

僕がいつもその中で、大事な木の役割の一つとして伝えていることがあります。
それは、「木が雨を降らせる。」ということです。

どうして木が雨を降らせるのでしょうか?

大地に雨が降ります。大地に染み込んだ雨水は、木の根から吸収されます。根から吸収された雨水は、幹を伝って葉に届きます。葉に届いた水は、葉の表面に日の光が当たることで、大気中に蒸発します。
そして雲になります。この雲が又雨を降らしてくれます。

つまり、雨雲は木から作られる訳です。勿論、海や湖の表面からも水が蒸発して雲が作られます。それと同時に、雨雲の多くは木から生まれているのです。

日本の平均降水量は世界の平均降水量の2倍程あります。

この大きな要因は、日本の国土の約7割を森が覆っているという事実があります。

そしてジャングルのことを日本語では「熱帯雨林」と書きます。熱帯の雨の林。正にジャングルは雨を創る林なのです。赤道付近のジャングルの上空に雨雲が出来て、それが北半球、南半球に広がって行く。だからジャングルは恵みの雨を降らせてくれる大事な地球資源です。

国連環境計画(UNEP)のまとめによると現在、世界の砂漠は毎年6万平方キロメートルずつのスピードで広がっており、九州と四国とあわせた面積とほぼ同じ土地が砂漠化していると言われています。

砂漠化が進むと雨が降りにくくなり、そして雨が降っても、大地に雨水を保水する能力が無い為、土砂となって海に流れ出てしまいます。そう、木は雨雲を創ってくれると同時に、雨水を大地に留めてくれる自然のダムの役割も果たしているのです。

このままのスピードで砂漠化が進むと、地球は深刻な水不足に悩まされてしまいます。

それを止めるには、人間の手で、どんどん木を植えていく必要があります。出来ることから一歩づつ。僕はこれからも、一本づつ、機会を見付けて木を植えて行きたいです。

降水量参考資料:国土交通省サイト(水の量、水資源、降水量の資料)[PDF:1017KB](新規ウィンドウまたはタブで開く)

砂漠化参考資料:鳥取砂丘新発見伝実行委員会サイト「世界の砂漠化について」(新規ウィンドウまたはタブで開く)

執筆者紹介
中渓宏一(Seedman)

【プロフィール】
1971年シアトル生まれ。大手商社勤務などを経て2000年9月、サラリーマンを辞めて世界放浪の旅に。2003年、南アフリカで地球を歩いて木を植える男、アースウォーカーに出逢い、その後1年間ジンバブエ、ザンビアを共に歩き、木を植えた。2004年よりは日本中を歩いて木を植えている。

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