傷つけども名城は落ちず!着々と進む熊本城の復興に括目せよ

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記事作成日:2016/8/23
平成28(2016)年4月14日及び16日、2度の震度7という激震に見舞われた熊本・阿蘇地方。築城の名手・加藤清正によって築かれた熊本市のシンボル・熊本城も甚大な被害を受け、多くの現存建造物や、美しい石垣が倒壊してしまいました。
それでも、阿蘇の火口から飛び立つ不死鳥のように、熊本城は今、復興へ向けて一歩一歩、着実に歩み始めています。
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しゃちほこは消失、瓦は落ち雑草の生えた熊本城天守閣

出典元:浦賀 太一郎
熊本城天守閣は、昭和35(1960)年にコンクリートで外観復元されて以来、熊本市のシンボルとして在り続けてきました。ニュースで見た方も多いでしょうが、熊本地震によって、天守閣の最上段に鎮座していた「しゃちほこ」は倒壊し、瓦も多くが落下、天守台の石垣も崩落してしまいました。元々悩みの種でもあったという屋根部分の雑草も、もちろん除去できるような状況ではありません。

2016年8月現在、熊本城は大部分が立入禁止となっておりますが、通行可能な二の丸広場近辺、加藤神社付近から天守閣を眺めることができ、市街からは、熊本市電(路面電車)の花畑駅付近から望むこともできます。また、熊本市役所の14階展望ロビー(写真の撮影場所)からなら、城域の大部分を一望できます。天守閣はもちろん、重要文化財の長塀、木造復元の飯田丸五階櫓など、眺望は素晴らしく、被害の状況もよくわかります。

緊急対策が無事に完了!倒壊寸前の「飯田丸五階櫓」

出典元:浦賀 太一郎
天守閣の無残な姿と共に、お茶の間に衝撃を与えたのが、2005年に木造復元された「飯田丸五階櫓」の石垣の崩落でした。櫓台の石垣はバラバラに崩れ去り、隅の石積だけが残り、建物の総重量約35トンの大半を「一本石垣」が支えているという、危機的状況が続いていました。
このままでは、櫓もろとも倒壊の危険性が高く、事態は急を要することから、6月中旬に緊急の倒壊防止工事が着工され、7月中にほぼ完了しました。

「仮受構台(かりうけこうだい)」と呼ばれる緑の鉄骨のアームが、櫓を抱え込むようにして支えています。簡単に言いますが、差し込み時にアームが隅石に触れたら一巻の終わり。作業員が先端部分に乗り込んで、慎重に作業を進め、僅か30cmの隙間で隅石をかわし、見事に成功しました!
飯田丸五階櫓の倒壊防止アームの様子は、市役所14階の展望ロビーから手に取るように見ることができます(写真)。

多くの現存櫓や石垣は倒壊!その姿を目に焼き付ける

出典元:浦賀 太一郎
天守閣や飯田丸五階櫓はそれぞれ昭和、平成になって復元されたものですが、今回の熊本地震では、築城当時から残り、国の重要文化財に指定されている櫓、塀などにも甚大な被害が出てしまいました。現在、城内のほとんどが立入禁止となっていますが、城の外からでも文化財の被害を見ることができます。

写真は、北十八間櫓と五間櫓で、いずれも戦国時代末期の慶長年間に創建され、当時の建築様式を伝える貴重な遺構として、重要文化財に指定されています。石垣もろとも全壊してしまっているのが北十八間櫓で、右側で少しだけ石垣上に残っているのが五間櫓です。他にも両櫓に続いている東十八間櫓や、長塀の倒壊状況も城外から確認することができます。
アクセスも比較的容易で、市電の「熊本城・市役所前」で下車すると、目の前が長塀のある長塀通りで、すぐ先の橋を渡って、熊本城稲荷神社、熊本大神宮が並ぶ県道303号から石垣や重文の櫓群の損壊状況を眺めることができます。

ライトアップ再開!熊本城復興への「希望の灯」に

出典元:浦賀 太一郎
熊本地震から約1ヶ月半、6月1日には、設備の補修作業が完了し、熊本城の夜間ライトアップが再開されました。これは、市民からの「暗いままでは寂しい」との声を受けての対応で、熊本市長は「希望の灯になって欲しい」と話しています。
ライトアップは20時から23時まで行われ、天守閣だけではなく、全長242mのうち半分程度が倒壊してしまった重要文化財・長塀(写真)や、二項で紹介した飯田丸五階櫓などのライトアップも以前のように再開されています。

ほとんどの区域に立入制限が設けられている熊本城ですが、二の丸広場や加藤清正を祀った加藤神社への参拝は可能です。二の丸広場へは、地域の伝統文化の展示や郷土料理、スイーツ、野外ステージのイベントなどが楽しめる城下町を模した観光施設群「桜の馬場 城彩苑」からが近道で、無料のシャトルバスも二の丸駐車場・城彩苑間を10~15分間隔で運行しています。
加藤神社へは、三項で紹介した北十八間櫓の少し先、棒庵坂からも、二の丸広場からもアクセス可能です。加藤神社の脇からは、扇の勾配と言われる美しい熊本城ならではの石垣と、倒壊を免れた重要文化財・宇土櫓、背後に大小天守閣という、ガイドブックなどでもよく紹介される、「神アングル」が健在です。

石工職人の願い!崩落した石垣から発見された穏やかな人物画

出典元:浦賀 太一郎
城彩苑内にある歴史文化体験施設・湧々座には、熊本地震で崩落した宮内橋付近の石垣の中から発見された、人形(ひとがた)の線刻画が描かれた石垣が展示されています。
穏やかな表情をしているように見えますが、一説では城の安寧、安全の祈願、地鎮の思いを込めて、石工職人が描いたものとされています。

実は熊本城は、築城以来多くの災害に見舞われています。地震、大雨、洪水、大嵐、戦・・・
記録では、そのたびに肥後熊本藩は幕府に修復願を出し、早期の復興を成し遂げています。今回の熊本地震でも、どんなに被害が大きくても、先人たちが護り、今日に残した大切な遺構を次代に引き継ごうと、「被災からの復興」すら観光資源にした、長期的な復興プランが、未完成とはいえ、もうすでに始まっているのです!
天守閣の復旧は平成31(2019)年を目指し、城郭全体の完全な復興は20年。総額600億円を超える大事業になります。

刻々と蘇える熊本城の今後を見守ろう!

日本三名城の一つに数えられる熊本城の、地震被害の状況を紹介しましたが、熊本城は、日々刻々と復活へ向け、その姿を変えています。築城以来、多くの人々に愛され、護られてきた熊本城。大きな被害であることは間違いありませんが、落城したわけではありません。一歩一歩、着実に蘇ってゆく熊本城を、見守っていきましょう。
がまだせ(がんばれ)!熊本!
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記事提供:Travel.jp
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